東京 — 日本の月探査企業ispaceは、自社の着陸機が少々クラッシュしがちな実績を持っていることから、SpaceXのStarshipに便乗する方が良いと判断した。同社は7月8日、2030年にもStarship月着陸機に相乗りして最大数百キログラムの顧客ペイロードを運ぶ「モバイルカーゴシステム」— 実質的にはローバー — を開発中だと発表した。

モバイルカーゴシステムは、Starship着陸機から数キロメートル先までペイロードを運ぶ。なぜなら、高価な科学機器に最後の1マイルを歩かせる理由があるだろうか? ispaceは地上でのペイロード統合と着陸後の運用を担当する。彼らは地上部分で十分な練習を積んできたからだ。

最初のミッションでは、ispaceは2030年以降に打ち上げ予定のSpaceX Starship月着陸機のペイロードスペース500キログラムを購入した。財務詳細は非公開。おそらくispaceは以前の墜落ミッションからの小銭をまだ数えている最中だからだろう。

「Starshipが提供するような大容量で比較的低コストの月輸送は、ispaceが目指す持続可能な月経済の実現に不可欠です」とispaceの創業者兼CEOの袴田武史氏は語った。彼は明らかに「最初に着陸できなければ、何度も挑戦し、それから他人のロケットに乗ってみる」という古い格言を信じている。

Starship契約は、ispaceの「月アクセス統合業者」への進化の一部だ。これは聞こえは良いが、基本的にはあなたのペイロードを月に運び、今回はおそらく無事に届けることを意味する。袴田氏は、より大きなペイロードに対する顧客需要と自社の月開発ビジョンから、モバイルカーゴシステムの開発を決断したと述べた。まだペイロード顧客は発表されていないが、ローバーの後ろに列ができている。

予約された500キログラムにはローバーとペイロードの両方が含まれ、「数百キログラム」がペイロードに利用可能だ。ispaceは欧州子会社の技術を活用してローバーを社内開発する計画で、「技術的なブレークスルーは不要」と主張している。どうやら月面でローバーを走らせるのは簡単な部分らしい。

重要なのは、ispaceがモバイルカーゴシステムは自社の着陸機に代わるものではなく、追加のものだと強調している点だ。自社着陸機の成功率はこれまで0%である。最初の2回の着陸ミッションは2023年4月と2025年6月に墜落した。しかし、3度目の正直という言葉もある。

3月、ispaceは日本と米国のユニットの設計を統一した新しい着陸機「Ultra」を発表した。2028年から2030年の間に3回のUltra着陸機ミッションが計画されており、最初の2回は日本で、3回目はDraperが主導するNASA CLPSミッションのために米国で製造される。

袴田氏は、モバイルカーゴシステムが3月に発表されたNASA主導の月面基地構想への需要に応える可能性があると述べた。ispaceはまた、システムを拡張して1トン以上のペイロードを運ぶことも検討している。なぜなら、墜落するなら大きく墜落する方が良いからだ。

ispaceはStarship着陸機の複数の顧客の1つであるため、SpaceXが着陸地点を選定する。おそらくNASAが基地を建設したいと考えている月の南極地域だろう。この契約は、SpaceXがFalcon 9でispaceの最初の2回の着陸機ミッションを打ち上げたビジネス関係を拡大するものだ。

「これまでFalcon 9で複数のispaceミッションを月に打ち上げてきましたが、この関係をStarshipに拡大できることを嬉しく思います」とSpaceXの商業販売担当バイスプレジデント、ステファニー・ベドナレク氏は声明で述べた。この声明は墜落には巧みに触れていない。